| 巴里レター No.19 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 巴里レター No.19 ☆ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ § ショパンの手紙 コローの手紙 〔1〕 先日、(というより先月ですね。いやあ、月日のたつのは早いなあ。 などと言ってゴマカシテおりますが。) サンジェルマン・デ・プレの教会の前で、 友だちと待ち合わせをしました。 待ち合わせの場所には、あまり使わないところなんだけど。 (やっぱりあの辺で待ち合わせするんだったら、サン・ミッシェルとか、 オデオンかな。いつ行っても、誰かを待ってる人がたくさんいます。) その日は、サンジェルマン・デ・プレの近くで、 食事をする予定だったのです。 このあたりから、サン・ミッシェルにかけては、 カフェとかレストランが多い地域です。 街並が古いから、細い通りのテラスで一杯やるだけでも、 雰囲気があって、なかなかいい気分なんですよ。 でも、普通に住んでる人は、あまりそういうコトしないんだけど。 約束の時間より、早く着いてしまったので、ちょっとその辺を ぶらぶらしてみようかなって思ったのです。 このあたり、ヴィトンとかディオールとか、ブランドの店も多いですね。 そういえば、知り合いのオバさんの娘が、 ここのディオールに就職したとか言ってたな、って思い出して、 それらしい人いるかなって、外から覗いてみたんだけど、 わかんないや。 閉店の時間みたいで、シャッター半分下ろしてたし。 ハーフの子で、わりと感じのいい娘だったよな、とか、 たしか彼氏がいるって言ってたな、とか思い出したりして。 そんなことを思いながら、 ディオールを通り越して、ボザール(芸大)のほうへ、 ぶらぶら歩いて行ったんだよね。 この辺、小さな画廊が多いんだけど、ショーウィンドーに、 革表紙の古い本を並べている店があったのです。 『ふ〜ん。』とか思って、見たら、《 モーパッサン 17××年 》 なんて書いてあるんですよ。 『えっ?』とか思って、よく見てみたんだけど、 ちゃんと活字で印刷された本なんだよね。 パリの古本屋には、革表紙の本で、似たようなのがよくあるんだけど。 (××の部分は、思い出せないのです) もう一度、『ふ〜ん。』と思いながら、上の方を見ると、 【ANTIQUITE(古美術品)】 という看板が掛かってました。 じゃあ、きっと本物なんだ。でも、ちゃんとしたアルファベットの活字 なんですよ。あたりまえだけど。 17××年ていえば、関ヶ原の戦いの後だけど、 明治維新より前だよな、とか考えながら、 「もうその頃には、活字で、こんな本が印刷されていたんだ。 日本は、まだ瓦版だったんじゃないかな。」って、感心してしまいました。 同じ店の、入口を挟んだ、もうひとつショーウィンドーには、 もっと面白いものが飾ってありました。 歴史上の有名人物の、自筆の手紙です。 ××将軍とか、ドラクロワとか、ショパンとか、コローとか。 ヴィクトル・ユゴーの手紙は、写真といっしょに額に入っていました。 日に焼けるといけないという理由で、飾られていたのは、 よくできたコピーだったんだけど。 『 ドラクロワの挿絵入りの手紙というのは、絵葉書で見たことあるな。 そういう手紙、わりとたくさん書いていたのかな。・・・・・ 売り物になるだけあって、皆さん、きれいな字ですね。』 なんて思ったりして。 とくに綺麗な字で、女性的な感じがしたのは、 ショパンとコローの手紙です。 どちらも、全体的に優しそうな雰囲気が、よく似てるんですよ。 ショパンの曲も、コローの絵も、わりと好きだったんだけど、 字が似てるとは思ってもみなかったもんね。 ふ〜ん、そういえば、人間性のようなものも似ているかもしれない。 でしょ。 発見だよね。 ひょっとしたら、同時代の人だったのかな、って思って、 ウチに帰ってから、ショパンのCDと、コローの絵葉書を 調べてみました。 フレデリック・ショパン 1810―1849 カミーユ・コロー 1796―1875 なるほどね。ショパンて、四十まえに死んじゃったんだ。 モーツアルトは若かったって知ってたけど、ショパンもそうだったんだ。 それに比べると、コローは長生きしたほうだよね。 そうだ、コローって、カミーユっていう名前だった。 知り合いのフランス人の女の人で、カミーユっていう人いるんですよ。 いい名前だなって思ったんだけど、男性形と女性形があるのかな。 こんど会ったら、訊いてみましょう。 ミッシェルっていう名前も、男性形と女性形があるんですよ。 たしか、綴りは違ったと思うけど。 ショーウィンドーの本とか手紙、値段は付いていませんでした。 今度近くに行ったら、訊いてみようかな。 買えるような値段じゃないと思うけど。 (つづく) □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ◇ ルルド Lourdes 〔5〕 ◇ マリア様が現れたという洞窟の近くで、しばらく時間を過ごしてから、 おみやげ屋さんが並んでいる通りに行ってみました。 前にもちょっと書いたけど、狭い通りの両側にびっしりという感じです。 やっぱり、マリアさまグッズとか、宗教グッズとか、 そういうものばっかりなんだけど。 マリア様の小さな像とか、 十字架も、ペンダントにするものから、 壁に掛けるちょっと大きめのものまで、いろいろありました。 ロザリオというのは、初めて見たような気がします。 木の数珠に十字架が付いたものなんだけど、けっこう長いですね。 つるしてあったのが、1mくらいあったかな。 (たぶん、以前にも見たことがあると思うのですが、 気にしていなかったから、記憶に残っていないんでしょうね。) ルルドのロゴが入った白いプラスチックの容器もありました。 これはもちろん、水を入れて持ち帰るためのものです。 マリア様の形をした透明なプラスチックの容器もありました。 ルルドの水を入れて、飾って置くんでしょうね。 ルルドの水は腐らないっていう話だから。 普通のミネラルウォーターも、あまり腐らないみたいだけど。 絵ハガキは20サンチームだから、わりと良心的な値段です。 ビアリッツとかサン・セバスチャンでは、もっと高かった。 やっぱり、あまりアクドイ商売する人いないのかな。 お店の人も、わりと感じのいい人が多いですね。 フランスでは、珍しいことなんですけどね。 どのお店も、けっこう人が入っていました。 シスター姿のオバさんたちも、わりと真剣におみやげを選んでました。 金とか銀のペンダントネックも、フツーのおみやげ屋さんに 並んでいました。だいじょうぶかなって思ったんだけど、 メッキのものには、ちゃんとそういう表示が付いていたから、 だいじょうぶなのでしょう。 マリア様のペンダントネックは、どこでも売っているけれど、 やっぱりここのオリジナルは、洞窟にマリア様が現れて、 その前で、ベルナデットが祈っている絵柄のものでしょう。 (ベルナデットのことは、あとでもっと詳しく書けると思うけど。) 1858年2月11日に、薪を拾いに行った14才のベルナデットの前に マリア様が最初に現れてから、同じ年の7月16日までの間に、 マリア様は計18回も現れたそうです。 でも、結局、その姿を見たり、その声を聞いたりできたのは、 ベルナデットだけだったのです。 こう書くと、ベルナデットが嘘をついたんじゃないかとか、 幻覚を見たんじゃないかとか、そういう可能性も考えられるんだけど、 事実、当時の人も、そんなふうに疑ってた人が、 けっこういたみたいなんだけど。 でも、詳しいことを知ると、やっぱりベルナデットには、 本当に見えたんだろうな、って思えてくるのです。 その後、何度も奇跡が起こっているみたいで、 BELYさんは66番目の奇跡だったそうです。 (奇跡に関しては、かなりきびしい審査があるようです。) このベルナデット、1933年に聖人の列に加えられています。 ちなみに、現在の法王ヨハネ・パウロ二世は、 1983年8月14日に、ルルドを訪問しています。 ∽ ∽ ∽ ルルドに来る人は、マリア様が現れたとか、 何度も奇跡が起こっているということを、 疑っている人は、あまりいないみたいですね。 僕も、行くまでは疑っていたけど、行ってみたら、 やっぱり不思議なところなのだと、よく分かったので、 いまは疑ってないですね。 でも、奇跡が起こるって、宝くじの一等に当たるより、 確率が低いんじゃないかな。何百万人に一人なのか、 何千万人に一人なのか、よくわからないけど。 あるいは、記録されていない小さな奇跡は、 もっと頻繁に起こっているのかも知れないけれど。 ∽ ∽ 僕は、右の掌になにかエネルギーのようなものを感じた って書いたけど、驚いたことに、おみやげ屋さんの店先でも、 それを感じたんだよね。 マリア様が現れたという洞窟から、何百メートルも離れているのに。 その土地自体が持っているエネルギーのようなものだと 思っているんだけど、そのエネルギーのようなものが 放出されている範囲が、サンチャゴ・デ・コンポステラに比べて、 すごく広いし、また強いような気がするのです。 やっぱり、その分だけ、集まって来る人も多いんだろうな、 って思ったのでした。 (つづく) □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ 【近ごろのパリ】 急に寒くなりました。コート着てる人もけっこういます。 まあ、毎年のことなんだけど。寒くなるのが早過ぎないかい。 でも、ウチは暖房が入ったので、快適です。 パリには、よくあるんだけど、建物全体にお湯を循環させて、 ジワジワと暖める中央暖房なんだよね。 (じつはウチは、パリからチョットだけ郊外なんだけど、 メトロの駅で2駅分。・・・まあ、細かいコトは気にしないで。) 誤解する人はいないと思うけど、念のために書いておくと、 ウチは大きな建物のなかの、ほんの一室(ワンルーム)です。 兎小屋とか鳥小屋とか、その程度ですね。 (キチネット、バス、トイレ付きだけど。) でも、中央暖房って、外から帰って来てもスグ暖かいっていうのが いいですね。 こっちに来てから最初の二、三年は、寒くなると、炬燵とネコが 恋しかったのだけれど、いまはゼンゼンそんなことないですね。 カンペキにイスの生活です。 慣れると楽ですよ。 食事は、日本風とか中華風とか、そんなのばっかりですが。 あ、でもお昼はサンドイッチか。フランス風バゲット式サンドイッチ。 朝は、どうかというと、ほとんど食べないですね。 寝てますから。 2002年10月25日 Michio 追伸 今回は、「北欧の旅」じゃなくて「ルルド」でした。 きっと、「北欧の旅」に持っていった時刻表とか「地球の歩き方」が、 見つからないのではないでしょうか。 (などとヒトゴトのように書いておりますが。スンマセン。) 「ショパンの手紙 コローの手紙」の話は、先月のことなのですが、 このまえ行ってみたら、もうドラクロワの手紙はありませんでした。 売れたのかな。 まあ、続きは次回ということで。 メトロの駅に、モジリアニ展のポスターが貼ってありました。 期間は10月23日から来年の3月2日まで。 場所は、MUSEE DU LUXEMBOURG。 そんな美術館あったかなあ。・・・まあ、いいや。 ヒマになったら行ってみようと思っています。 そしたら、また報告しますね。 巴里レター 配信の手続きは次のところでどうぞ めろんぱん http://www.melonpan.net/mag.php?002474 メルマガ天国 http://melten.com/m/9592.html PUBZINE http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18529 解除は、登録されたところでお願いします。 一筆書いて送りたいという方は、次のアドレスへ michion2@mail.goo.ne.jp じゃあ またね
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