巴里レター No.20

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       ☆ 巴里レター No.20 ☆

 
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  § ショパンの手紙 コローの手紙 〔2〕

 サンジェルマン・デ・プレの例のお店、行ってみました。
 いかにもヨーロッパ風といった小さな看板があったんだけど、
 それがなくなっていました。・・・ どうしたんでしょうねえ。
 (う〜ん、よく解らない。 まあ、いいか。ねえ、ワトソン君。)

 モーパッサンの本とドラクロワの挿絵入りの手紙が、
 ショーウィンドーから消えていました。売れたのかな。

 とりあえず中に入ろうと思ったら、鍵がかかっているんだよね。
 ブザーのボタンを押したら、中にいたオバさんが、
 電気仕掛けの鍵をあけてくれました。

 『宝石店か、ここは。』とか、思ったんだけど、
 まあ、最近ブッソウだからねえ。いいんじゃないの。

 オバさん、アイソも何もない、って感じの典型的なフランス人です。
 最初から、わりと冷たい応対でしたね。
 『どうせ買わないだろう。』って思われたかな。
 仕事の帰りだったから、ネクタイしてたんだけどな。
 まあ、カネがあるようには見えないと思うけど。
 日本人は、こーゆーものは買わないって思い込んでいるのかな。
 まあ、買わないだろうけど。

 「オモテに飾ってある手紙の値段を知りたいのですが。」
 って言ったら、めんどくさそうに教えてくれました。
 次の通りです。単位は、もちろんユーロです。

   フロベール ‥‥‥ 1900
   コロー ‥‥‥‥‥  770  (1866年11月8日付)  
   ショパン ‥‥‥  28000  (1843年11月17日付)
   ヴォルテール ‥‥ 7600  (1754年5月14日付)
   ヴェルレーヌ ‥‥ 1600  (1871年9月30日付)
   モーパッサン ‥‥ 4500  (←手紙)
   ドラクロワ ‥‥‥‥ 850  (←挿絵なし)

 次は革表紙の古い本

   1761年製 ‥‥ 1524
   1814年製 ‥‥ 4500
   1822年製 ‥‥ 3900 (スイスに関する本でした。)

 ショパンの手紙は、ジョルジュ・サンドに宛てたものでした。
 でも、彼の手紙だけ高すぎると思ったので、(350万円!)
 オバさんに確認したら、
 「希少価値があるのです。」という返事でした。

 しかしねえ、いくらショパンの手紙だといっても、
 紙切れ一枚だもんねえ。
 僕だったら、そういうお金があったら、
 中古のポルシェでも買うけどねえ。(関係ないか)

 いま、気がついたんだけど、画家の手紙って安いのかな。
 まあ、デッサンなどは価値があるだろうけど、
 手紙はどうでもいいのかな。
 でも、ゴッホの手紙だったら高いだろうな。

 ドラクロワの挿絵入りの手紙のこと、訊いてみたんだけど、
 「ありません。」という、そっけない返事。
 店のなかに、マルセル・プルーストの手紙があったので、
 「これはいくらですか?」って訊いたら、
 「もう売れました。」だって。
 
 そんな感じだったから、早々に退散したんだけど、
 ヴィクトル・ユゴーの額入りの手紙の値段、訊くの忘れた。
 失敗したなあ、と思ったんだけど、引き返す勇気は無いから、
 そのまま帰ってきました。 (気が弱いからねえ)

 ショーウィンドーのショパンの手紙とか、
 読んでみようと思ったのだけれど、あまりにも達筆すぎて、
 読めない単語がたくさんあって、意味がとれないんだよね。
 まあ、日本人は買わないだろうな。


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   ◇ ルルド Lourdes 〔6〕 ◇

 その日は、夜遅くまでウロウロしていたので、
 ホテルに帰ったときには、午前0時を過ぎていました。
 (ということは、7月26日ですね。)

 フロントに、ひとのよさそうなニイちゃんがいて、
 「どうでした?」みたいなことを言うので、
 「まあ、ボチボチでんなあ。」みたいなことを答えて、(ホンマかいな)
 部屋に上がりました。

 床がギシギシいうので、隣の人に申し訳ないなあと思いながら、
 『でも、ボクのせいじゃないもんね。』と開きなおって、
 高速ドーロのサービスエリアで買ってきたサンドイッチとコーラで、
 遅い夕食にしました。(遅すぎるぜ。)

 そのあとは、わりとすんなり寝たのですが、
 一度、『寒いなあ』って感じで、目が覚めました。
 『そういえば、標高400mとか書いてあったかな。』などと思いながら、
 またすぐ眠ったんだけど、朝までに、夢を二回みたんだよね。

 最初の夢は、なんかよく覚えていないけど、宗教的な夢でした。
 二番目の夢は、ちょっと忘れられない夢ですね。
 なんと、イラクの大統領が、取りまきの連中と一緒に出てきたんだよね。
 そう、例のサダムちゃん。(友だちじゃないよ)
 
 で、どういう内容だったかというと、
 純情素朴な僕が、コロッと騙されてしまうという夢だったのでした。
 
 目が覚めたら、もう朝になっていたのだけれど、
 ちょっと考えちゃいましたね。
 べつに、予言的な夢だとか、そういうコト言うつもりはないですよ。
 彼のことを正直な人だと思っている人は、あまりいないだろうし。
 『しかしねえ、こーゆーところでみる夢に出てくる人物としては、
  一番ふさわしくない人物じゃないの。』って思っちゃいました。

    ∽     ∽     ∽
 
 教会のなかに入ってみました。
 教会が三層になっているのが、スゴイというか、
 変わっているというか・・・

 ・ 一番上の教会 (LA BASILIQUE SUPERIEURE)

 1862年、一番最初に建設が始まった教会です。
 (マリア様が現れたのは、1858年です。)
 塔は、ゴシック様式ですね。

 ・ まんなかの礼拝堂 (LA CRYPTE)
 
 上の教会の地下礼拝堂として、造られたみたいです。
 だから、天井が低かったりして、
 ひそかな儀式に使われるんじゃないかっていう雰囲気がありますね。
 後に、直接外から入れるように改造されたみたいです。

 ・ 一番下の教会 (LA BASILIQUE DU ROSAIRE)

 これが一番大きい。
 また、雰囲気が新しいというか、近代的というか。
 建設が始まったのが、1883年です。
 
 上の教会が岩山の上にあるから、その下を掘ったというか、
 削ったというか、そんな感じで大々的にやったぜ、
 っていう雰囲気ですね。

 正面の上のほうに、大きなマリア様の絵というか、
 モザイク画というか、そういうものがあるんだけど、
 『気持ちはわかるけど、ちょっと大きすぎないかい。』

 壁に大きな壁画がたくさんあるんだけど、(十以上あった)
 それが全部モザイクなんだよね。
 すごい手間だ。すごいお金をかけている。
 見ただけで、そう思います。
 部分的に傷んでいる壁画もいくつかあったけど。

    ∽     ∽     ∽

 もっとすごかったのは、三層になってる教会のほとんどの壁に、
 ビッシリと大理石のプレートがハマッていて、
 (ヨーロッパでは、大理石はべつに珍しくないんだけど)
 そのひとつひとつに、感謝の言葉が彫ってあるんだよね。
 プレートの大きさは、コピー用紙くらいだったかな、
 もうちょっと大きかったかな。
 だから、すごい数なんですよ。

 たとえば、
 ・「神よ 感謝します」
 ・「マリア様 感謝します」
 ・「感謝します これからも私達をお護りください」 とか

 でも、わりと多かったのが、
 ・「子供の命を救って頂いたことを感謝します」 とか
 ・「娘の病気を治して頂いたことを感謝します」 というようなものです。

 僕は、そういうのを読むと、子を思う親の気持ちが察せられて、
 目がウルウルになってしまうのだけれど。
 (僕は、子供いないんだけど)
 フランス語読めない人は、目がウルウルにならないと思うけど。
 フランス語読めても、目がウルウルにならないかもしれないけど。

 プレートには、年とかその人のイニシャルも彫ってありました。
 1880年代から1900年代のものが、多かったですね。
 なかには、わりと最近の1980年代のプレートもありました。
 なぜかみんな、フルネームじゃなくて、イニシャルだけなんですね。
 
 英語で書かれたものもありました。
 (まあ、英語だろうが、日本語だろうが、神様には読めると思うけど。)
 
    ∽     ∽     ∽ 
 
 パリに帰って来てから、ルルドを知ってる人たちに、
 「あれは、スゴイよね。」って、大理石のプレートのことを話したら、
 「そうだっけ。」というような反応ばかりで、
 僕は、よく理解できないんだけど。

 きっと、興味のないものは、見ても記憶に残らないのかもしれないし、
 あるいは、記憶の何処かに残っていても、
 思い出すことができないのかもしれない。
 近ごろ流行りの海馬に関係があるのかもしれないし、
 関係がないのかもしれない。
 オジさんには、よく解らない。 ねえ、ワトソン君。

                                      (つづく)


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 【ちょっとした意見】

 マスコミが、拉致家族のことをセンセーショナルに報道することによって、
 日朝交渉の足を引っぱっているみたいですね。
 国交回復のじゃまをしているようにも思われます。

 拉致家族のために、日本という国全体を、
 戦争まで引っぱって行こうとしているみたいです。
 マスコミ関係の人達には、その自覚がないかもしれないけれど、
 外から見てると、そう見えます。

 偉そうなことを言うつもりはないけれど、
 もう一度、よく考えてほしいですね。
 いったい何を目指しているのか。
 戦争なのか、平和なのか。

    ∽     ∽     ∽

 アメリカは、なぜあのタイミングで、核の話を出したのでしょうか。
 アメリカはアメリカで、足を引っぱりたいんでしょうね。
 きっと、北朝鮮には、「悪役」のままでいてほしいのでしょう。
 「イラクの次」ですね。

 だから、北朝鮮の「核のカード」は、
 アメリカにとって、何の意味もないのです。
 北朝鮮が核兵器を一つや二つ持っていても、
 アメリカにとっては、脅威でもなんでもないのです。
 かえって、それが「戦争の口実」になるのです。
 北朝鮮の人は、そのところをよく考えないといけませんねえ。
 (皆よく分かっていることだと思うけれど。)


 【近ごろのフランス】

 このまえのレターに、「急に寒くなりました。」って書いたら、
 そのあと、急に暖かくなりました。
 英語風に書くと、インディアン・サマーかな。
 仏語風に書くと、caniculaire かな。

 だから連休には、南仏の方だったと思うけど、
 例年より人出が30%くらい多かったそうです。
 
 今また、だんだんと寒くなってきていますが。

 
 【近ごろのパリ】

 落葉が、すごいですね。パリって、緑が多い街なんだけど、
 街路樹は、ほとんど落葉樹なんですよ。
 「冬に、日光が通るように」というのが、その理由だそうです。

 マロニエとプラタナスが、とくに多いのです。
 ウチの近所はプラタナスなんだけど、歩道に積もってますね。
 ときどき、落葉掃除専門の人たちが来て、きれいにしています。
 それ用の機械とか車もあります。
 でも、落葉の積もった歩道って、なんとなく好きです。
 
      2002年11月8日     Michio

 追伸
 
 今回の「ちょっとした意見」は、ボツにしようかと思ったんだけど、
 (これでも、たまには書いたものをボツにすることもあるのです)
 でも、マスコミ関係の人で、これ読んでる人は、ほとんどいないだろ。
 たとえ読んでも、鼻で笑って、すぐ忘れちゃうだろ。
 じゃあ、ボツにしなくてもいいか、と思ったのでした。
 

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