| 巴里レター No.27 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 巴里レター No.27 ☆ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ ◇ ユトリロの絵 ◇ ちょっと昔の話だけど、 あるとき、僕が持っていた絵ハガキを見て、 「こんな哀しい絵はない。」って言った女の人がいたのです。 (Reikoさんという人でした。) その絵というのは、まだオルセーにあると思うけど、 ド・シャヴァンヌ(de CHAVANNES)の 「貧しき漁師」という絵です。 僕は、全然そうは思っていなかったので、 ちょっとビックリしたんだよね。 そう言われてみると、 小さな舟のなかに、痩せた男の人が、うつむいて立っていて、 すぐ近くの岸には、その家族と思われる女の人と子供がいるのです。 貧しそうで、魚があんまり獲れなかったんだろうな、みたいな感じ。 でも、僕は言いましたね。 「僕は、もっと哀しい絵を知ってる。 それは、ユトリロの絵なんですよ。」って。 今度は、彼女が意外な顔をする番でした。 僕が、 「あのさぁ、パリを描いた画家は、それこそ幾らでもいるけど、 どうしてその人たちの絵が、美術館に入らないで、 ユトリロの絵が美術館に入っているか、知ってる?」って訊いたら、 彼女は少し考えて、 「う〜ん、わからない。どうして?」って答えたので、 僕は、つぎのような話をしたのでした。 ∽ ∽ ∽ ユトリロの絵のなかにある空気は、 他の画家の絵のなかにある空気とは、全然違うものなんですよ。 どう違うかというと、 ユトリロの風景画のなかの空気というのは、 これっぽっちの温もりもない空気なのです。 そういう温もりのカケラもないような空気だから、 かえって、ある種の純粋さを持っているのです。 また、普通の画家の絵には、 どうしても「みてくれ」のようなものがあるのです。 『どうです。見てください。これが私の絵です。 なかなかいいでしょう。』 みたいなものが。 でも、ユトリロの絵は違うのです。 彼は、アルコール中毒で、精神科の医者に勧められて、 絵を始めた人だから、 『みなさん、僕は精神異常者じゃないんですよ。 だって、僕は絵が描けるんだから。』 という気持ちで描いていたのです。 だから、彼の絵には、そういう「みてくれ」のようなものが無いのです。 ユトリロが生まれたのは、モンマルトルの丘の北の方です。 彼の父親は、誰だったのか分かっていません。 母親は遊び好きな女だったようで、夜、男と遊びに出かけるまえに、 まだ幼いユトリロに酒を飲ませて、 眠らせてから、出かけていたそうです。 だからユトリロは、子供の頃から既にアルコール中毒でした。 彼の絵のなかの、これっぽっちの温もりもない、 そしてある意味で「純粋な」空気には、 そんな理由があったのです。 ですから、彼が晩年、画家として成功して、 幸福な家庭を持った後に描かれた絵には、 そのような空気もなければ、独特の純粋さもないのです。 ∽ ∽ ∽ 僕は、そんな話をしたのだけれど、 Reikoさんは、あまり納得してくれませんでした。 「ふ 〜ん。でも、絵を見るのに、そういう背景をもってくるのは、 ちょっと邪道じゃないかしら。」 と、もっともな意見を述べてくれました。 「まあ、そういうコトは分かっているけど、やっぱりそうなんだよ。」 と、僕は照れ隠しに、そんな曖昧な返事をしたのでした。 彼女は、僕よりちょっと年上で、 パリで物理学を勉強しているという珍しい人でした。 (いまは、日本にいると思うけど。) □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ∞ □ ◇ ルルド Lourdes 〔13〕 ◇ その日の夜も、ちょっと不思議なことがあったんだよね。 ルルドというのは、ほんと、不思議なところだと思うのだけれど。 まあ、『アンタが、おかしいんじゃないの。』って、 思う人もいるだろうけど。 7月28日の午前二時でした。 (また、時計の長い針が12を指していた。) ・・・ (偶然かな) 眠っていて、体全体が、何かあたたかいものに包まれたんですね。 目が覚めても、しばらくその状態が続きました。 何かエネルギーのようなものに包まれたって感じなんですよ。 『ああ、自分は今、癒されているんだな。』って思いました。 (とくに悪いところとか、なかったんだけど。) なんか、以前にも一度か二度、同じような経験をしたことがあるなって 思ったんだけど、いつだったか思い出せないんだよね。 金縛りにあった感じとも違うし、 風邪引いて、熱だして寝てたときとも違うし、 記憶には無いんだけど、母親の胎内にいたときの感じとも 違うと思うんですよ。 ひょっとしたら、一度死にかけて助かったときの、あの感じかな。 でも、よくわからない。 前夜のことというか、マリア様の夢のことがあったから、 このときは、あまり悩まなかったですね。 時計をみて、『ああ、二時だな。』って思って、また寝てしまいました。 そして、五時に起床、 支度をして、五時半に部屋を抜け出しました。 他の部屋は、まだ寝静まってました。 外も真っ暗だし。 『そうか、こんなふうに朝早く出かけたり、 夜遅く帰って来たりする人がいるから、 カギは全部ロビーの壁に掛けてあるのか。』 って、納得してしまいました。 ホテルの人も、こーゆー人たちには、付き合いきれないよね。 ∽ ∽ ∽ 外に出たら、マリア様の洞窟に向かって歩いている人が 何人かいました。 『この人たちも、マリア様が現れたのは朝だったってことを 知っているんだ。なかなかスルドイじゃないか。』って、思いましたね。 まあ、そういう人、何人かいるだろうと思ったけど、 洞窟に行ってみてビックリ。 すでに30人くらい集まっているんですよ。 『そうか、冬はともかく、夏の間は、 24時間じゅう誰かが見張ってるんだな。 マリア様もたいへんだよな。』って、思っちゃいました。 みんな、静かに何かを待っている、というより、 その時間に、その場所に居るということに満足している、 って雰囲気でしたね。 2003年2月11日 Michio 追伸 僕のホームページのことなんだけど、 たまに繋がらないこともあるみたいです。 最初は、ビックリしましたね。 内容に問題があって、消されたのかな、とか、 フランスのプロバイダーだから、 「日本語で、ワケわからないから消しちゃえ。」ということで 消されちゃったのかな、とか悩んだのですが、 人に訊いたら、 「サーバーのメンテナンスとか、するんじゃないの。」 ってことだったので、安心しました。 そういうときは、数時間後に、もう一度トライすると繋がるみたいです。 ルルドに、マリア様が初めて現れたのが、 1858年の2月11日だったんですね。 それを記念して、この「巴里レター」の配信と ホームページの更新をすることにしました。 うん、なかなかハマッてますね。 巴里レター 配信の手続きは次のところでどうぞ めろんぱん http://www.melonpan.net/mag.php?002474 メルマガ天国 http://melten.com/m/9592.html PUBZINE http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18529 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000104321.htm 解除は、登録されたところでお願いします。 一筆書いて送りたいという方は、次のアドレスへ michion2@mail.goo.ne.jp じゃあ またね
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