巴里レター No.4

  §  巴里レター  No. 4  §


        テレビのニュースから

 フランスの田舎の小さな村で、
 耳の聞こえない5才の女の子のために、
 村の人たちが、みんなで手話を習い始めたという話です。
 
   やさしそうなおじさんの話
 
 「彼女がこのまま大きくなったら、
 彼女はこの村で、エトランジェ[異邦人]になってしまいます。
 それはよくないと思ったので、
 みんなで話しあって、手話を覚えることにしました。」

   隣に住んでいる少年の話
 
 「彼女が遊びに来たときに、彼女と話がしたいと思ったから。」

 この5才の女の子は、愛らしくあどけない感じで、
 村の人たちが、自分のために手話を習うということが、
 どういうことなのか、よくわかっていないようでした。
 みんなが手話を習っているその前で、
 先生に向かって、嬉しそうに手話で話をしていました。

 僕はこのニュースを見たとき、思わず泣きそうになったんだけど、
 ニュースキャスターのおじさんも、
 やっぱり泣きそうな顔をしていました。

 フランスのテレビのニュースキャスターは、
 おもしろかったり、悲しかったりするとき、
 ごく自然に感情が面にでる人が多いみたいです。
 おおげさでもなく、へんに抑えたりもしないで、そういうところは、
 とてもいいんじゃないかなって、日ごろ思っています。

 またこの村の話ですが、都会では絶対にありえないことで、
 小さな田舎の村だからできるのでしょう。
 この村の人たちのうち、何人が手話をマスターできるか
 わからないけれど、そのような発想をすることじたい、
 とてもすばらしいことで、めったにないことだから、
 ニュースになったんだろうなって思いました。

     ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 じつはこれ、去年の12月のニュースだったのですが、
 ちょうどその頃から、僕はホームページを作ろうと思っていて、
 この話もそのホームページに載せようと思っていたのです。
 でも、いま途中でくじけている状態で、いつできるかわからないので、
 この巴里レターに載せることにしたのです。

 僕のパソコンは、こっちで買ったものだから、
 日本語のホームページを作ろうと思うと、
 けっこうたいへんなのです。
 だいたい、日本で売ってるソフトが使えない、これが困る。
 僕のまわりに、日本語のホームページ作っている人が3人いるけど、
 そのうち2人は、日本から持って来たノートパソコンを使っています。
 もう1人は、日本語用にもう1台買って、中味を全部消して、
 日本語版のウィンドウズとか、いろいろ入れたんだって。
 この人は、コンピューターのプロになろうと思っている人で、
 そういう学校に通っている人です。
 
 僕にも、同じようにしたらいいよって言うんだけど、
 ソフトそろえるって、すごく高くつくじゃないですか。だから、
 「あんた、ソフト貸してくれるの。」ってきいたら、
 「えっ、それはできない。」って、あっさり言われてしまいました。

 ハードデスクを二つに分けて、半分フランス語にして、
 半分日本語にすることもできるよ、って言うんだけど、
 そりゃ、理論的には、可能かもしれないけれど、
 このまえ、自分でそれをやろうとして、
 ハードデスクをひとつ、ダメにしたって言ってたのは、彼です。

 日本に里帰りしたついでに、
 ノートパソコンを買って来るって人は、けっこう多いですね。
 ほんとは、海外では使っちゃいけないって、
 書いてあるらしいんだけど、誰も気にしてないですね。
 でも、こっちのプリンターにつないでも、
 うまく作動しないって話は、よくききます。

 僕は、ほら、日本に帰らない人だから。
 ちょうどこの春で、19年になるんだけど、
 その間、日本に滞在したのは、2週間だけだもんね。
 日本に帰るお金と時間があったら、
 ヨーロッパの他の国を旅したほうが、
 楽しいなって思っている人なのです。
 
 僕のまわりには、そういう人、けっこういますけどね。

 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 蛇足的なかんじで、もうひとつ、
 最近のテレビのニュースのこと、書いちゃおうかな。

 皆さん、「アメリー ・ プーラン」(邦題) ていうフランスの映画
 知ってますか?
 このまえのアカデミー賞でも、外国映画の部門だったかな、
 ノミネートされてたみたいですけど。
 フランスでは、すごい人気だったんですね。
 過去12ヵ月の入場者数で、長いこと1位をキープしていました。
 「ハリー ・ ポッター」なんかをおさえて。
 日本でも、ちょっとしたブームになったとか、ならなかったとか。

 「アメリー ・ プーラン」が、外国でも評判になったので、
 その舞台となったモンマルトルを、訪れる外国人が増えました、
 っていうニュースだったんですね。
 まあ、モンマルトルって、サクレクール寺院とか、テルトル広場とか、
 ムーラン・ルージュとかあるから、普段でも観光客多いんですけどね。
 でも、去年のテロの影響で、観光客減ってたから、
 嬉しかったんでしょうね、きっと。

 いかにも、昔ながらの下町の雰囲気とか、
 人情が残っている街、って感じで紹介されてました。
 でも、あまりにも下町すぎて、たとえば、
 日本人の女性が、モンマルトルに住んでるなんて言うと、
 「えー、そんなとこに住んでて、大丈夫なの。」
 って言われそうなところです。
 まあ、人情を持ったおじさん、おばさんも、
 たくさん住んでいるのでしょうが、
 それとは別に、アブナイ人たちも、たくさんいるところです。

 ニュースのなかで、原作者です、っていうオバさんが出てきて、
 なんか、どこにでもいそうな感じのオバさんでしたが、
 サインした本を、モンマルトルのカフェの、
 カウンターのなかにいるオジさんに、手渡していました。
 オジさんは、いちおう笑顔で受けとっていたけど、
 「ありゃ、読まねえぜ。」って感じでしたね。
 読書なんて、ガラじゃねえもんな、ていう雰囲気でしたね。
 
 嬉しそうだったのは、他の店のオジさんで、
 「あんた、映画観たかい。これがでてたんだぜ。」って、
 入口の上に突き出ている、馬の首の看板を指差してました。
 べつに、場外馬券売場っていうわけじゃなくて、
 馬肉を扱ってますよ、っていう看板なんですね。
 
 などと書きながら、じつは僕、
 「アメリー ・ プーラン」観てないんですね。
 そういうニュースを、やってましたっていうお話です。
 僕がなぜ、最近のフランス映画観ないかっていう話は、
 いつか書くんじゃないかな、って思っています。

        2002年4月18日   Michio          

 追伸
 
 巴里レターが、めろんぱんに本登録になりました。
 予想はしてましたけどね。
 で、ちゃんと、そのときのための文章を、
 まえもって考えておいたのです。
 しおらしい文章だから、読んでやってください。

 このたび、巴里レターが、めでたくめろんぱんに本登録になりました。
 あとは、今年じゅうに、読者の数が10人くらい、
 できれば20人くらいに、増えればいいなあって思っています。
 
 ね。なかなかかわいいでしょ。
 あれよあれよというまに、目標が達成できてしまったのは、
 読者の皆様と、めろんぱんのスタッフの皆様のおかげです。
 そうだろー、そうだろーと思ってやってください。
 まあ、今年の末には、読者の数が10人くらいに
 減ってるかもしれませんが。

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