| 巴里レター No.7 § 巴里レター No.7 § ◇ 2001年 夏 北欧の旅 〔1〕 ◇ じつは去年の夏、北欧のほうに行ってきたのです。2週間くらい。 忘れないうちに、そのときのことを書いておこうと思うのですが、 もうだいぶ忘れかけているのです。歳をとると、ほら、 記憶力というものが、だんだん衰えるじゃないですか。 ( まだそんなに歳じゃないけれど。) 友だちと、たまに冗談言ったりするんですよ。 「あんた、記憶力というものがないんじゃないの。」 とか、 「最近、脳ミソがVACHE FOLLE ( ヴァッシュ フォル )で、 スポンジ状になってんじゃないの。」 とか。 VACHE FOLLE って、直訳すると、バカな牝牛って意味で、 狂牛病ってことです。 これは新聞にもよく登場する、正式なフランス語です。俗語かな。 北欧の旅なんだけど、このタイトルがなかなかいいでしょ。 なんとなく 「 2001年 宇宙の旅 」 に似てる。 内容は、まあ、ちょっと負けるかもしれないけど。 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 去年の夏は、なぜ北欧だったかっていうと、 ただ単純に、まだ行ったことがなかった、ということなのです。 ( わかりやすい理由でしょ ) それまで、ヨーロッパの国は12ヵ国行っていたのです。 ポルトガルみたいに、上から下まで、まわった国もあるし、 オーストリアは、ザルツブルグと、その近くの湖水地方だけで、 ウィーンは、まだとか。 スイスは、アイガーのほうも、マッターホルンのほうも行ったけど、 ジュネーブは、まだ行ってないとか。 ( でもスイスは、やっぱり山だよ、ヤマちゃん、とか。) 日本から来た人に、ヨーロッパは12ヵ国行きました、なんて言うと、 それ聞いたひとは、 『 じゃあ、ほとんど行ってるんだ。』みたいに思ったりして、 ( ほんとは、ヨーロッパって、小さい国もあるから、30以上の国がある と思うのですが。) 「 北欧のほうは、どうでしたか?」 とか訊くんだよね。 「 ええ、あのー、北のほうは、まだ行ってないんですよ。」 って言うと、 それ聞いた人は、なんだかちょっとへんな顔して、 そのあと、なんとなく気まずい沈黙があったりして。 だから、このさい、北欧のほうに行って来よう、 ベルリンも、まだ行ったことないから、 ついでに行っちゃおう、とか思ったわけです。 で、帰って来て、 「 ヨーロッパの国は、16ヵ国ぐらい行ったんですけど。 あと行ってないのは、アイルランドと東ヨーロッパのほうですね。」 って言うと、それ聞いた人は、 「 スコットランドのほうは、どうでしたか?」 とか言うんだよね。 僕の頭のなかでは、スコットランドというのは、イギリスのなかに 入っているんだけど、まあ、いいや、いつかアイルランドに行くときに、 ついでにまわろう、って思ってます。 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ フランス人や、こっちに住んでる日本人には、 北欧のほうは、あんまり人気ないみたいです。 こっちって、ほら、冬、お天気悪いでしょ。 パリだけじゃなくて、ヨーロッパの上のほうは、みんなそうなんだけど。 ドイツも、イギリスも、オランダも、冬は、曇っているか降っているか、 って感じだもんね。1週間くらい、太陽見ない日が続いたりして。 パリの憂鬱って、よく言うじゃないですか。あれなんですよ。 だから、こっちの人って、南の方が好きなんですね。 お日様、照ってるし、 同じラテン系だし、ものごとテキトーだし。 それに南の国のほうが、物価安いし。( これが大きいと思う。 フランス人て、けっこうケチだから ) パリって、緯度にすると、樺太の辺にあたるから、 夏でも日光の量が、そんなにたいしたことないんですよ。 熱帯夜とか、絶対ないし。 来た頃は、夏が過ごしやすくていいなあ、って思っていたんだけど、 長く居るうちに、だんだん物足りなくなってくるんですね。 そして、フランス人みたいに、夏になると、南の方に行きたいなあ、 って思うようになるのです。 だから、知り合いに、 「 北欧のほうへ行くんだ。」って言っても、 あまり評判は、よくなかったですね。 「 どうして、そんな何もないところに行くの。」 とか、 「 私だったら、北欧は、一生行けなくても後悔しないな。」 とか 言われたりして。 でも、結果から言うと、行ってヨカッタ。 とくに、フィヨルドがよかった。 スウェーデンの女の人も、きれいだったし。 (つづく) ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ☆☆ 2002年 ワールド・カップ 〔1〕 ☆☆ もうすぐ、ワールド・カップが始まりますね。 フランスは、今回も強いですよ。 はっきり言って、優勝候補です。ポール・ポジションですね。 僕は、前回、フランスが優勝するなんて、 思ってもみなかったんだけど、でも、ドイツもブラジルも、 あまり良くなかったし、フランスは地元ということもあって、 まぐれで優勝したんだろうと思っていたのですが、 まぐれじゃなかったんですね。 前回のワールド・カップから2年後、つまり一昨年ですが、 フランスは、ヨーロッパ大会でも優勝してしまいました。 なんか、勝つべくして勝ったという感じでした。 そのときのメンバーが、今回もメインで出ますからね。 いまからワクワクしてるんですけど。 やっぱりいい選手が、揃っているんですね。 ジダンは、日本でも知られているみたいですが、 フランスチームでは、彼だけ飛び抜けて上手いわけじゃないのです。 彼と同じレベルの選手が、他に何人もいるのです。 そして、そういう選手を控えとして、とっておけるというのがスゴイ。 たとえば、アンリ、トレゼゲ、ヴィルトール、ジョーカーエフ、プチ、 デュガリ、以上が、FWからMFにかけての、天才的な選手達です。 ピレスが怪我で欠場してますけどね。 キーパーをはじめ、守備陣もほとんど完璧です。 そして、キーパー以外は、みんな得点能力があるというのがエライ。 ただ、ルブッフはダメですね。あれは、ベンチに置いといた方がいい。 移民系の選手が多いなかで、 ルブッフは純粋なフランス人なんでしょうか、 あまり活躍しないわりには、よくインタビューに出てきますけど、 僕はアイツ嫌いです。なぜ嫌いかっていうと、 倒れている選手を、わざと踏みつけるようなことをするから嫌いです。 それから、ヨーロッパ・チャンピョンズ・リーグの試合、 テレビで見てましたが、バルセロナのリバウド(ブラジル代表)と、 レアル・マドリッドのフィーゴ(ポルトガル代表)が、 怪我をしていました。大丈夫でしょうか。 ブラジル代表のロナウジーニョっていう選手、まだ若いけれど、 テクニックは抜群ですよ。パリ・サンジェルマンの司令塔です。 あっ、そうだ、また支持率が落ちたという小泉首相に、 誰か教えてあげてください。 前回のフランス大会のとき、シラク大統領は、スタジアムに行って、 フランスが勝つたびに、みんなといっしょに、「バンザイ、バンザイ」 ってやってたら、支持率がどんどん上がったって。 (まあ、フランスでは、バンザイとは言わないけれど、 似たようなもんです。) 支持率回復の絶好のチャンスだって。 (でも、日本の場合は、負けたときのことも考えておかないと いけないですね。) ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ フランス大会のとき、日本から応援に来た人たちは、 チケットがなかったりして、たいへんだったみたいです。 いろんなヒドイ話とか、ヤバイ話とか聞きましたが、 ここでは、そういう話はやめにして、ちょっと面白い話をしましょう。 巴里レターNo.3で登場した酒呑みの“K”ですが、 じつは、彼女、旅行関係の仕事をしているのです。 (彼女、けっこう面白い人です) それで、日本から来た団体さんを、地方都市のスタジアムまで 案内したそうです。日本対アルゼンチンの試合で、場所は、 トゥルーズだったか、リヨンだったか、思いだせないんだけど。 (うーん、記憶力がねえ。) そのときは、チケットは大丈夫だったか、 あるいはうまくカタがついたかで、問題なかったんだって。 もちろん自分のチケットなんて無いから、 Kは、お客さんたちをスタジアムに入れたあと、 「あ〜、疲れたなあ。」って感じで、 近くのカフェで一杯やってたんだって。 カフェには、当然のようにテレビが置いてあって、 みんな、それを見てたんだって。 でもKは、すごい疲れてたし、サッカーあまり興味ないから、 隅のほうに座って、一杯やりながらボケーってしてたんだって。 しばらくしたら、みんなが、ワァーワァーいってるから、 『 どうしたのかな 。』って思ってテレビを見たら、 ちょうどアルゼンチンが、1点入れたところだったんだって。 『 そうか、入れられたのか。』って思っていたら、 フランス人のオヤジがやって来て、彼女に向かって、 「おい、やったじゃないか!」って、言うんだって。 彼女は、「 エッ? エッ?」って思いながら、左右を見たけど、 やっぱり誰もいないんだって。 だから、しばらく『 どうしたんだろう?』とか思って、 状況を把握できなかったらしいんだけど、 「でも、わたし解った。 きっと、わたし、アルゼンチンとかペルーに間違えられたんだわ。」 (そうだよなあ、あんた日本人ていうより、どっちかって言うと、 南米のインディオに見えるもんなあ。) でも、彼女、こういう場面で、 「わたしは、日本人です。」なんて言うタマじゃあないんだよね。 「だから、わたし、ニッコリ笑って言ってやったわよ。 メルシーって。」 そういう人です。 2002年5月28日 Michio 追伸 次回の巴里レターに、【 北欧の旅〔2〕 】が載るでしょうか。 たぶん載らないんじゃないかな。 次の次かもしれないし、2ヵ月先になるか、半年先になるか、 どうなんでしょうねぇ。 だから、 「この夏、北欧のほうへ行こうと思ってるんですけど。」 っていう人には、間に合わないと思います。 来年の夏だったら、間に合うんじゃないかな。 「ひょっとして、巴里レターって、そのときの気分で書いてんじゃ ないの?」って思った方、―― 正解です。 では、巴里レター配信の手続きは、つぎのところで、 めろんぱん www.melonpan.net ID:2474 メルマガ天国 www.melten.com ID:9592 解除は、登録されたところでお願いします。 一筆書いて送りたいという人は、つぎのアドレスへ michion2@mail.goo.ne.jp じゃあ、またね
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