| 巴里レター No.9 § 巴里レター No.9 § ◇ 2001年 夏 北欧の旅 〔2〕 ◇ 僕は、旅行するときに、よくレンタカーを使うのです。 たとえば、飛行機で行って、 空港で車借りて、いろいろ廻って、また空港で車 返して、 飛行機で帰って来るとか。 これって、すごい楽なんですよ。 荷物が重くても、ぜんぜんへっちゃらだし。 泊まるところは、普通は決めていかないから、 車でまわると、適当なところを見つけることができるし。 ひとりで旅してる日本人の女の子がいたら、 「 乗っていかない?」 って声かけることできるし。 あっ、いま、イヤラシイこと、想像した人いるでしょう。 僕の人格を、疑ったりしませんでした? まあ、叩けば、いくらでもホコリのでるような人格ですけど。 ( えっ、 ・・・・・ 知ってたって。) でも残念ながら、そーゆーオイシイ思いをしたことはありませんので、 安心してください。( ちょっとカナシかったりして ) ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ 今回も、レンタカーを使うこと、考えたんですけど、 地図をみて悩んじゃったんですね。 たとえば、ストックホルムまで飛行機で行って、そこで車を借りても、 ヘルシンキに行くのに、普通はフェリーなんだけど、 もし陸路を行くとしたら、湾がとても大きくて、 (あれでも、湾ていうのかね、っていうくらい大きくて) 内陸に入り込んでいるから、すっごい大まわりになるんですよ。 途中で一泊しないとムリだなってことは、ヘルシンキとストックホルムを 往復するだけで、4日かかるってことですね。 こりゃ、たいへんだ。 ストックホルムからオスロだって、かなり遠いし、 それに山とか森の中ばっかり走るみたいで、 ドライブするのに、あまり魅力を感じないルートだなあ、とか。 デンマークのコペンハーゲンなんて、カンペキに海の向こうだし、 ということで、今回は、車はやめておくかってことになったわけです。 それに、列車だったら、もし北欧がつまらなかったら、 早めにドイツの方に下りてくればいいし、とかね。 エルミタージュ美術館を見たいから、 ロシアのサンクトペテルブルグのほうにも、足を延ばそうかって、 わりと真剣に考えたのです。 ヘルシンキから、距離的には、そんなに遠くなさそうだし。 だから、サンクトペテルブルグに行ったって人に、 いろいろ話を聞いてみたのです。 ( パリには、旅の好きな人とか、絵の好きな人が多いから、 その点とても便利なんですよ。) でも、ロシアって、ビザが必要なんだよね。ビザを取るには、 ホテルの予約とか、飛行機の往復切符が必要みたいで、 なんかメンドーなんですよ。それに、サンクトペテルブルグって、 ロシアで一番治安が悪いって言われてるところだし。 どうしようかなあって、グズグズ悩んでいるうちに、 もうビザが間に合わないや、まあいいや、また今度にしよう、 ってことになってしまいました。( なんか性格でてるな ) ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ 列車で回るって決めたんだけど、旅行の準備って、 すごい面倒くさいんだよね。いろいろ必要なもの買い揃えたり、 荷物作ったりしないといけないし、お金もたくさんかかるしなあ、 やっぱり行くのやめようかなあ、っていつも思うんですよ。 でも、出かけちゃうと、やっぱり来てヨカッタ、もう帰りたくない、 お金さえあったら、いつまでもバカンス続けていたい、 って思うんですよ。ホント、へんなヤツだとお思いでしょうが。 旅に出ると、ほとんど文字というものを書かないんですね。 書くとしたら、絵葉書を一枚か二枚書くかなあ。 それから、安ホテルにチェックインするときに、名前と住所と パスポート番号を書くとか。メモ帳に、今日はいくら使ったかって 書くくらいだもんね。昼食いくら、入場料いくら、ホテル代いくら、 って感じで。 こんなふうに「巴里レター」書くなんてわかっていたら、 もっといろいろメモしておいたんだけどなあ。(あとの祭りですね) 旅のあいだは、本もほとんど読まないんだよね。 読むとしたら、「地球の歩き方」と時刻表ぐらいかな。 いちおう、日本の文庫本、一冊か二冊持っていくんですけどね。 退屈な時間もあるだろうって思って。でも読まないんだよねえ。 持って来るんじゃなかったって、いつも思うんだよねえ。 ポケーっと、しているんでしょうか。 でも、行き当たりばったりだから、今日はどうしようとか、 どこそこに行くには、何時の列車で、乗り換えがどーのこーのとか、 どこそこに行ったら、見どころは何々で、安く泊まれるところは、 どのあたりとか、いろんなこと考えるんですよ。 今日のプラン、明日のプランも、何通りか考えておいて、 お天気が悪かったら、ここにいてもしょうがないから、 あっちに移動しようとかね。 写真は撮るんですけどね。普通に、36枚撮りを2本くらい。 (デジカメは、まだ持ってないんですよ。) ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ 列車で回るからには、ユーレイルパスがあれば便利だなあ、 って思ったんだけど、ヨーロッパでは、買えないんですよ。 こっちに住んでる人で、わざわざ日本に帰ったときに、 買って来たって人もいたし。 だから、無理だろうなあって思ったんだけど、 でもフランスって、いいかげんな国だから、係員によって、 言うことゼンゼン違ったりするから、いちおう訊いてみるかって思って、 駅に行ってみたのです。 そしたら、すでにバカンスシーズンに入っていたので、 予約のところに、すごいたくさん人が待ってるんだよね。 若い人なんか、床に座り込んじゃったりして。 整理券があるんだけど、それ取って待ってたら1時間はかかるなあ、 ってかんじ。ちょっと訊くだけなんだけどなあ。 だから、フランス人みたいにズルしてみようかな、って思ったのです。 長いカウンターに、係員が何人もいるんだけど、 隅のほうへ行って、ひとり終わるのを待ってて、次の人を呼ぶ前に、 話しかけてみたのです。 僕 「あのー、ちょっと、お訊きしたいんですが。」 係員のおじさん 「整理券を取って、待っていてください。」 僕 「ひとつだけ、質問したいんですけど。」 係員のおじさん 「他の人と同じように、整理券を取って・・・・」 僕 「ほんとにチョットしたことを、ひとつだけ訊きたいんですけど。」 係員のおじさん (やれやれといった感じで) 「・・・何ですか。」 僕 「ユーレイルパスを買えるでしょうか?」 係員のおじさん 「 ・・・・・ 買えます。」 僕 「えっ、買えるんですか?フランスに住んでるんですけど。」 係員のおじさん 「 ・・・・・ 買えます。」 僕 「それって、いくらなんですか?」 係員のおじさん 「それ以上の質問は、整理券をとって、他の人と 同じように、順番が来るのを待っていなさい。」 だって。 う〜ん、もうチョット教えてくれてもいいと思うんだけどなあ。 まあ、しょうがないか。でも買えるんだ。 ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ そこで、整理券を取っておとなしく待っていたかというと、違うんですね。 何かヤボ用だったか、仕事だったか忘れたけど、 やるべき事があったので、それが終ってから、今度は、 もっとローカルなサン・ラザール駅に行ってみたのでした。 この駅、たしか国際線は入っていないし、 TGVもオリエント急行も入っていないので、 あまり待たなくてもいいかもしれない、って思ったのです。 ピン・ポーン、正解でした。インターナショナルの窓口には、 係員は2人だけでしたが、お客さんも、ほんの数人でした。 それでも結構待たされたような気がする。 (日本人て、気が短くていやですねえ) 僕 「あのー、ユーレイル・パスを買えるって聞いたんですけど。」 係員 「・・・ それは、ユーレイル・パスじゃなくて、 インターレイル・パスでしょう。」 僕 「???」 係員の説明によると、ヨーロッパ人、または6ヶ月以上ヨーロッパに 住んでいる人は、このインターレイル・パスを買えるそうです。 ユーレイル・パスに似ていて、列車乗り放題なんだけど、 違うのは、ヨーロッパを8つのゾーンに分けていて、 使うゾーンの数が増えると値段も高くなるという、非常に合理的、 且つ経済的なパスなんですよ。日本の周遊券みたいなものかな。 北海道周遊券とか、四国周遊券とか、そーゆーのって、 まだあるんだよね、きっと。(昔は、あったけど。) でも、考えてみたらそうだよね。ヨーロッパ人は、1ヶ月とか2ヵ月で、 ヨーロッパを全部回ろうなんて思わないもんね。 普通は、去年はあっちに行ったから、今年はこっち、とかね。 ゾーンなんだけど、AからHまであって、 A : イギリス、アイルランド、 B : スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、 C : デンマーク、ドイツ、スイス、オーストリア D : ポーランド、チェコ、ハンガリー、クロアチア、スロバキア、 ・ ・ というふうに決められているんですよ。自分が住んでいるゾーンは 買えないんだって。僕が必要なのは、BとCの2ゾーンのパスだよね。 2428フラン(約46000円)、有効期間は1ヶ月だって。安いよね。 ユーレイル・パスって、この何倍もするでしょう。 1等車とか、指定席の料金は含まれていないらしいけど、それでも ゼッタイ得だぜー、って嬉しくなっちゃいました。 ヨーロッパって、鉄道料金とか、航空料金、高速料金、 すごい安いんですよ。と言うより、日本が高すぎるんだよね。 なんとかならんかね。日本に里帰りする人は、みんなそのコトで、 ブツブツ言ってます。 ( つづく ) ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ☆☆ 2002年 ワールド・カップ 〔3〕 ☆☆ 決勝トーナメントが始まる前に、黒人のおじさんと、少し話をしました。 このおじさん、訛りがすごくて、(まあ、人のことは言えないけれど) それ聞いただけで、アフリカ大陸のどこか、のんびりした村で、 生まれて育ったんだろうな、って思っちゃうような人です。 話題は、やっぱりワールド・カップのことです。 フランスは、残念だったねえ、とか、 セネガルは、決勝トーナメントに進出したね、とか 、 日本は、なかなか強いじゃないか、とか、 そういう話です。 僕が、日本対ロシアの試合の後、モスクワで、日本人の旅行者や 日本レストランが襲われた、って話をしたら、 彼はとてもビックリして、 「ホントか、そりゃヒドイ。 ロシア人の奴等は、文明化されていないんだ。」って言うから、 僕は、 「そうだ、そうだ。」って、言いながら、 『でも、あんたが言うと、ちょっと可笑しい。』と思ったけれど、 ここで、笑っちゃいけないと思って、グッと堪えてしまいました。 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ワールド・カップで、惨敗して帰ってきた選手も監督も、 誰ひとりテレビに出てこないんだよね。あたりまえか。 きっとみんなで、死んだフリしてるんでしょうね。 前回代表に選ばれて、今回選ばれなかった黒人のキーパーで、 ベルナール・ラマっていう人だけが、元気いっぱいって感じで、 ナンダカンダと言いたいこと言ってたなあ。 彼の言葉をかりると、「みんながケーキの分け前にあずかろうとして」 大会が始まる前に収録したコマーシャルだけが、今も、白々しいというか、 虚しいというか、そんな感じで繰り返し流されています。 そのワザトラシイ笑顔をみると、なんとなく苦々しい気分になるのは、 僕だけではないでしょう。だから、やっぱりあれって、広告としては、 逆効果だよね。 マルセル・ドサイなんか、かわいそうに、 「チームのキャプテンというよりは、ビジネスマンだ。」とか、ヒドイこと 言われてたもんね。まあ、それだけコマーシャルに露出度高かったけど。 ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞ 【 近ごろのフランス 】 6月16日の日曜日、議会選挙の第二回目の投票が行われました。 9日の第一回投票の結果から、シラクさんの保守連合が過半数を 獲得するだろう、それどころか、大勝じゃないか、っていう予想が 出ていました。 だから、お昼のニュースで、投票に来たシラクさんが映っていましたが、 余裕の表情でしたね。 シラクさんは、きちんと背広にネクタイという服装でしたが、 いっしょに来ていた奥さん、黒いTシャツ(?)にジーンズの上着でした。 ジーンズは、いま流行りの部分的に色を落としたものではなくて、 きれいなブルーのものでした。 「ふ〜ん、さすがフランス人の女性だな。」って、思っちゃいました。 シラクの奥さん、べつに若いわけじゃないんですよ。 「今日は投票に行くだけだから、これでいいのよ。」って感じです。 もちろん、大統領夫人だから、投票所にテレビカメラが来ていることも、 投票の様子が全国的に放映されるってことも、 ちゃんと計算しているのです。このTシャツにジーンズという姿が、 かえって粋というか、オシャレに映っていました。 こういうところが、フランス人の女性、エライなあって思いますね。 シラクの奥さん、なかなか賢そうなひとです。 たまに、単独でテレビに出てきて、真面目な話をします。 それを、大勢のフランス人が真面目な顔で聴いていたりします。 きっと、シラクさんも、他のフランス人の男性と同様に、 奥さんには、アタマ上がらないんじゃないかなって気がしますね。 選挙の結果はどうだったかというと、 シラクさんにとっては、とても嬉しい結果となりました。 公約の治安のこと、お願いしますよ、ねえ、シラクさん。 2002年6月25日 Michio 追伸 巴里レター 配信の手続きは次のところでどうぞ めろんぱん www.melonpan.net ID:2474 メルマガ天国 www.melten.com ID:9592 PUBZINE www.pubzine.com ID:18529 解除は、登録されたところでお願いします。 一筆書いて送りたいという方は、次のアドレスへ michion2@mail.goo.ne.jp じゃあ、またね
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